ファミマがTポイントに加えドコモや楽天ポイントにも対応!調剤薬局も見習いましょう。
「Tポイントはお持ちですか?」でお馴染みのコンビニエンスストアと言ったらファミリーマートです。そのファミリーマートは2020年までに、段階的にNTTドコモと楽天の共通ポイントサービスを使えるようにすると2018年11月に発表しました。
2018年12月上旬より、ファミリーマート全店でNTTドコモの「d払い」や楽天の「楽天ペイ」などのキャッシュレス決済が利用できるようなります。また、支払いでドコモや楽天側のポイントが付与され、それをファミリーマートの買いもので使えるようになります。
ファミマが共通ポイント相乗りを決めたのはスマホ決済か?
ファミリーマートが共通ポイントの相乗りを決めた理由は客足が伸びないからでしょう。既存店の来店客数が伸びないどころか、減少している店舗がほとんどのなのがコンビニです。そんな背景が、ファミマに複数のポイントサービス導入を後押ししました。
- Tポイント:会員数6,700マン人 – ソフトバンクやヤフーが出資
- 楽天スーパーポイント:会員数約1億 – KDDIと提携
- dポイント:会員数6,700マン人
利便性を高めることで集客力を上げる。これは経営にとって当然の努力でしょう。しかし、その裏にはTポイントがカードを使っていたことも関係しているようです。いちいち持ち歩かなければいけなし、利用時に提示もしなければいけない。Tポイントは利便性に問題がありました。
一方で、楽天やドコモではスマホ決済でポイントが貯まります。もちろん、決済に利用することもできます。ファミリーマートもファミペイというモバイル決済を導入する予定ですが、消費者が利用する決済手段の多様化に対応するため、Tポイントと楽天スーパーポイント、dポイントと3つの共通ポイントと提携しました。
ドラッグも決済手段への備えを進めています!
コンビニ限らず、ドラッグストアも次々に決済手段を取り込んでいます。例えば、ウエルシアでは次のような決済方法が使える上に、お得なポイント制度があります。
ウエルシアで使える決済方法とお得なポイント制度
- 電子マネー:WAON / 楽天Edy / Tマネー / iD / QUICPay / au WALLET / ソフトバンクカード / LINE Payカード
- 交通系マネー:suica
- クレジットカード:VISA、MasterCard、JCB、AMEX、Dinersなど
- 貯まるポイント:Tポイント – 毎週月曜はポイント2倍。毎月15日16日は65歳以上ならTポイントが3倍。毎月20日にはTポイントが1.5倍の価値になる
- お得な制度:イオンカードで支払いをするとイオンカードのポイント「ときめきポイント」が2倍付与されまる
- JALカード特約店:「JALカード」の支払いでJALマイル(ポイント)が2倍付与される
- 商品券での支払い:クレジットカード会社が発行するギフトカード。イオン商品券、ビール券、おこめ券
ツルハドラッグはさらに広く決済方法に対応しています。
ツルハドラッグで使える決済方法とお得なポイント制度
- 電子マネー: WAON / nanaco / 楽天Edy / iD / QUICPay / au WALLET
- 交通系電子マネー: Suica / PASMO / manaca / SUGOCA / TOICA / nimoca / Kitaca / ICOCA / はやかけん
- 相性の良い電子マネー: 楽天Edy、WAON、nanaco この電子マネーは店頭で現金チャージも行える!
- クレジットカード :VISA/MasterCard/JCB/AMEX/Diners/UnionPay
- QRコード決済: LINE Pay / d払い / Alipay / WeChat Pay / AlipayとWeChat Payは使える店舗は比較的限られている
- 貯まりやすいポイント: ツルハポイントと楽天スーパーポイントの二重取りができる
- 商品券・ギフトカード: 各種クレジットカード会社発行ののギフトカード
- ポイントカード: ツルハポイントカード、楽天スーパーポイントカード
- くすりの福太郎でツルハポイントと楽天ポイントが使える
マツモトキヨシも負けていません。
マツモトキヨシで使える決済方法とお得なポイント制度
- 電子マネー :楽天Edy / iD / QUICPay / au WALLET / ソフトバンクカード / LINE Payカード
- 交通系電子マネー: Suica / PASMO / manaca / SUGOCA / TOICA / nimoca / Kitaca / ICOCA / はやかけん / 各店舗ごとに違う
- 相性の良い電子マネー: au WALLET、dカードプリペイド。 auWALLETはポイントアップ店(200円で3ポイント)
- クレジットカード:VISA/MasterCard/JCB/AMEX/Diners
- おすすめクレジットカード: dカード。 dポイントカード提示1%+マツキヨ現金ポイント1%+dカード決済3%で合計5%。
- QRコード決済: Alipay
- 貯まりやすいポイント: マツキヨポイント、dポイント
- 商品券・ギフトカード: クレジットカード系ギフトカード、クオカード
- ポイントカード: 現金ポイントカード、dポイントカード
ドラッグストアでは、ペイペイやLINEペイなど、今後も次々と普及が進む決済手段の受け入れは進むことになります。また、共通ポイントやお店独自のポイントを付与することで、利用者の囲い込みも静かに静かに進むことになります。
大手チェーンの調剤薬局で利用可能なキャッシュレス決済は?
ドラッグが着々と消費者のニーズに対応している一方で、大手チェーンの調剤薬局はどのような対応をしているのでしょうか?
私が見た限りでは、調剤薬局のチェーン店はドラッグストアと比較して明らかに対応が遅れていると感じています。例えば、調剤薬局最大手のアインホールディングスと日本調剤のHPを見る限り次のようなものでした。
アインホールディングスのキャッシュレス対応
- クレジットカード:VISA、Master、JCB、AmericanExpress、DinersClub、DISCOVER、銀聯
- 交通系ICカード:使用可
キャッシュレス決済への対応は、ドラッグストアとは雲泥の差と言っていいでしょう。では、次は日本調剤です。
日本調剤のHPに書かれていたキャッシュレス対応
- 交通系ICカードのほか、クレジットカード・デビットカードでのお支払いに対応しています。
- また、一部の店舗では、楽天Edy、QUICPay(クイックペイ)、iD、WAONなどの電子マネーが利用できます。
どうやら、あまり歓迎はしていないようです。クレジットカードのブランド名はHPに記載がありませんし、電子マネーについても一部の店舗と一筆あるだけでした。
中小調剤薬局のキャッシュレス決済対応はどうなのか?
最大手調剤薬局チェーンのアインホールディングスと日本調剤で先のような対応ですから、中小調剤薬局のキャッシュレス決済への取り組みも容易に想像がつきます。
都心部の薬局におけるクレジットカードへの対応は?
東京都およびその周辺地域である3県では、クレジットカードに対応する薬局は以下のような状況のようです。
- 東京都 → 6,574店舗中 3,089店舗 46.99%
- 神奈川県→ 3,826店舗中 1,700店舗 44.43%
- 埼玉県 → 2,823店舗中 1,239店舗 43.89%
- 千葉県 → 2,416店舗中 1,118店舗 46,27%
(2018年9月現在)
都市部で4割強ですが、カード支払いは手数料が3%程度はかかるため中小店の登録は少ないと思われます。また、そんな理由もあってか、患者にカードが使えるという情報を提供していない傾向があるようです。以下がその根拠です。
ある大手企業の子会社が運営するサイトの情報
ある有名大手企業の子会社が運営するサイトでは、情報としてクレジットカードと電子マネーが利用できる薬局が掲載されています。以下の表でわかるように、先のクレジットカードの導入率と比較して圧倒的に少ない掲載率です。したがって、あえて薬局側がキャッシュレス対応情報を載せていないと考えられます。
県別のクレジットカードおよび電子マネーが利用できる薬局数
全国平均でクレジットカード が使えるという情報を掲載している薬局が5%。、電子マネーが約2%です。
クレジットカードに限ると掲載率が1%未満の県は青森と栃木、福井、広島、山口、徳島、佐賀、長崎、熊本、宮崎、沖縄の11県。鳥取県と高知県に至っては、導入率が0です。また、電子マネーの掲載率は軒並みクレジットカードを下回っています。
念のため、先の東京および3県について再度確認しておきます。
大手サイトに情報掲載店舗数
- 東京都 → 6,574店舗中 3,089店舗中344店 掲載率11.13%
- 神奈川県→ 3,826店舗中 1,700店舗中617店 36.29%
- 埼玉県 → 2,823店舗中 1,239店舗中67店 5.40%
- 千葉県 → 2,416店舗中 1,118店舗中231店 20.66%
キャッシュレス決済への対応はしておくが、手数料負担は避けたい。そんな気持ちが見透かされるほど、キャッシュレス決済への対応はオープンにしたくないようです。
今現在、どんなことが進行中なのか?
今、大きな市場環境のうねりが起きています。今はちいさなうねりがはじまったにすぎませんが、2019年の夏以降これはとても大きなうねりになります。そして、このうねりの大きさに気づいた時に「何とかしなければ…」、そう思ってももう取り返しはつかないでしょう。
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まとめ
キャッシュレス決済における手数料負担は3%程度かかります。調剤薬局の経常利益を前提にすると、これは大きな負担になります。ですが、それも患者が薬局に足を運んでくれるのが大前提。
もし、キャッシュレスに対応せず、患者がドラッグストアに足を運んでしまったら目も当てられぬ経営状況となることは明らかでしょう。今すぐ、「2019年10月の増税前に必ず準備しておくべきキャッシュレス決済とは?」これだけの準備はするようにお勧めします。
また、次のふたつの無料レポートは読んで置くことを合わせてお勧めしておきます。
とくに、前者のレポートは中小調剤薬局には重要です。なぜなら、私はほとんどの調剤薬局経営者が、経営を忘れて調剤報酬だけに囚われていると感じているからです。
調剤薬局の収益=患者数×調剤報酬+薬価です。調剤報酬は重要ですが、それも足を運んでくれる患者があってこそのもの。なかには、介護施設で十分な利益を上げている薬局もありますが、それも「介護施設で回している調剤薬局は、2020年の調剤報酬改定前に注意しておきましょう!」をお読みになれば危険であることにお気づきになるでしょう。
ぜひ、2020年の調剤報酬改定を笑って迎えることができるよう、今から準備してください。
【重要】
調剤薬局の収益=患者数×調剤報酬+薬価差益です。この内、調剤報酬と薬価差益は今後も一方的なルール変更が繰り返されますから、コントロールができません。一方で、患者数は経営努力次第で増えることもあれば減ることもあります。2019年、そんな経営者の力量が試される時代がやってきました。
この大きな経営環境の変化の波に乗り、大きく新規の患者数を増やそう。そう思われる方は、「キャッシュレス戦略セミナー2019」にご参加ください。
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