スマホで買い物4割増!電子お薬手帳もスマホ。では、調剤薬局での支払いは?

日本経済新聞社が実施した「第7回ネットライフ1万人調査」で、最近1年間にスマホを使ってインターネット通販で買い物をした金額は前年比で4割増え、平均年間4万1700円となった。

日本経済新聞にこんな記事がありました。実店舗でのスマホ決済も利用が広がっているようで、LINEペイやペイペイなどのキャンペーンによりさらに普及が進むことは間違いないでしょう。

IT各社のキャンペーン期限は?

IT各社のQRコード決済の覇権争いは今後も続くことでしょう。

例えば、LINEは2018年8月1日から2019年7月31日の1年間、LINE PayのQR/バーコード支払いを利用すると、通常のマイカラーのポイントに「+3%」上乗せされています。バッジカラーがグリーンの方はなんと5%ポイント還元となります。

一方で、ペイペイは現在0.5%の還元にとどめています。とどめているというのは、2018年12月の100億円まで20%還元キャンペーンを行ったところ、不正利用が見つかったからです。そのため、現在は利用上限が5万円に抑えられています。おそらく、システムの見直しを終えたら再び大規模なキャンペーンに打って出ると思われます

話をLINEに戻すと、ペイペイの20%還元キャンペーンに刺激されてか、2019年12月末まで同じく20%の還元キャンペーンに打って出ました。こういった流れからすると、私は今後も同じような流れが続くと考えています。

消費税増税時の5%ポイント還元策に乗らないことはあり得ない!

各社にとって、独自のキャンペーンでユーザーを増やすことは重要なポイントです。市場を押さえれてしまえば、その後は安定した収益が確保できますから、それも当然でしょう。

しかし、消費税増税にともないキャッシュレス決済利用で5%のポイントが還元されます。このとき、LINEやペイペイに限らず、キャッシュレス決済を普及させる大チャンスになります。したがって、LINEペイのキャンペーンは2019年7月31日までとなっていますが、新たなキャンペーンが行われることは想像に難くありません。

記事の一部でも重要な事実が書かれていますので引用します。

インターネット通販などの直近1年の買い物について、パソコンとスマホ、タブレット、携帯電話の端末ごとで消費額を集計した。スマホの消費額は41.8%笛、ネット消費に占めるスマホの比率は19.0%から25.5%に高まった。

この消費行動の変化に対し、アマゾンや楽天、ヤフーショッピングなどの大手モールや企業が次々と対策を打っています。

アプリの提供!

私のスマホ画面も、今ではさまざまな企業のアプリが溢れかえっています。例えば、よく使うものだと…

スマホアプリ

  • エクスペディア:出張時のホテル予約
  • ANA:出張時の飛行機予約
  • NAVITIME:ルート検索
  • LINE:家族などとの連絡
  • プライオリティパス:海外旅行時の空港ラウンジ利用

私の場合は実用的な利用に限られますが、若ければ若いほど多くのアプリを使い倒しているようです。子供達のスマホの使い方を見れば、それは明らかでしょう。

こういったことから、完全にスマホが生活に組み込まれていることがわかります。そして、多くの企業が知恵を絞ってアプリを開発しています。この意味がわかるでしょうか?

例えば、多くの企業はコンビニの棚を抑えようと血眼になって努力しています。その理由も説明の必要はないでしょう。棚のひとつを抑えることができれば、全国数万のコンビニ店にその商品を置くことができます。逆に、棚がなければ商品は売れることがありません。この差の意味がお解りになるでしょうか?

コンビニの棚を抑えることができるのかどうか?これは、差といっても0か♾(無限大)の違いです。無か♾と言ってもいいでしょう。スマホ画面にアプリを残させることも同じです。← これ、今回のキャッシュレスですごいヒントです。お解りになるでしょうか?

今後、スマホを中心にさまざまなサービスが生まれていく!

IoTをご存じでしょうか?これは、Internet of Thingsの略(日本語でモノのインターネット)で、さまざまな電化製品などがインターネットに接続され、互いに情報交換をするモノのネットワークのことです。今後、このネットワークを使った便利な家電が、どんどん世の中に出てきています。

その主役はスマホです。各家電は、スマートフォンに専用アプリをインストールすることで、スマートフォンをリモコン代わりに家電を操作できます。また、家電の運転状況やデータをスマートフォンで管理・確認したり出来るようになります。

スマホと家電の接続には、大きく分けてWi-Fi接続とBluetooth接続の2種類があります。Wi-Fi接続は、Wi-Fiホームネットワークを使用して、屋外から屋内のIoT家電を操作する場合の接続方法として多く採用されています。一方、Bluetoothで接続するIoT家電は、家電と家電を近距離(数メートル)で接続する方法となります。

Wi-Fiは、一度設定すれば後は自動で接続されるのに対し、Bluetoothは、接続の際にその都度設定をする必要があります。したがって、ほとんどのケースでWi-Fiが主流となることでしょう。

電子お薬手帳もスマホです!

お薬手帳の電子版というか、スマホ版が電子お薬手帳です。スマホをもっていれば、お薬手帳を持ち歩く必要がありませんから便利ですよね。また、今後は遠隔診療も普及していくでしょうから、電子お薬手帳への対応は必須でしょう。

大手チェーンやドラッグはすでにアプリを提供しています!

日本調剤や菜の花薬局など大手チェーン調剤薬局はもちろん、スギ薬局など大手ドラッグストアチェーンも電子お薬手帳アプリを提供しています。もし、患者がこのアプリをスマホ上に残したとしたら、果たして他の薬局のアプリを使うでしょうか?

そう、よほどのメリットがなければ他の調剤薬局のアプリなど残しません。でも、そんな大手チェーンでもドラッグストアのアプリにはかないません。なぜなら、大手ドラッグストアには調剤薬局と違い企業独自のポイントや共通ポイント(例 ウェルシアはTポイント)を貯めることができるからです

日本調剤:日本調剤のお薬手帳アプリ 「お薬手帳プラス」

当然ですが、処方箋送信機能もあります。

菜の花薬局:なの花おくすり手帳

もちろん、こちらも処方箋送信機能がついています。

↑ご覧のように、薬の準備ができたらアラームで連絡があります。↑

スギ薬局:おくすり手帳アプリ

今後、他のチェーン店もスギ薬局のアプリを真似てくるでしょうね。処方箋送信機能はもちろんですが、こちらも「くすりできあがり通知」がついています。薬の準備ができたら患者に連絡が届く。このサービスを受けたら、他の薬局を利用することなどなくなりますよね。

なにせ、こちらはドラッグストアですから日用品や食料品なども買えます。また、ポイントも貯まります。病院から処方箋を送信し、スギ薬局でついでに買い物をする。移動と買い物の間に、「くすりが用意できました!」という連絡が届き待つことなく受け取ることができる。

LINEペイが使えるお店は?

クレジットカードや電子マネーはすでに大手チェーンのほとんどが利用可能ですが、LINEペイを使えるお店も次々と増えています。

例えば、コンビニではローソンやファミリーマートの大手二社で使えます。また、ドラッグストアや薬局でも次のようなチェーン店が対応済みです

LINEペイに対応済み

  • ウエルシア
  • ドラッグ新生堂
  • サンドラッグ
  • 大賀薬局
  • ココカラファイン
  • ツルハドラッグ
  • くすりの福太郎
  • ドラッグストアウェルネス
  • ウォンツ
  • くすりのレディ
  • B&Dドラッグストア

調剤薬局でも対応済みの会社があります。また、調剤部門をもつドラッグストアもすでにLIENペイに対応済みです。別記事消費税増税時、ポイント還元対象外となったドラッグストアはどう動くのか?想定してみました。にも書きましたが、ドラッグストアの今後の対応は調剤薬局経営に大きな影響を与えることになります。

こちら2019年10月の増税前に必ず準備しておくべきキャッシュレス決済とは?」を参考に、最低限の準備だけは怠らないことをお勧めします。なお、クレジットカードや電子マネーはもちろんですが、患者が希望する決済手段に対応していなければ大きく患者は流出することになります。

また、以下の記事も忘れずにお読みください。とても重要ですよ。

LINEペイを導入しない薬局は生き残れない!そう思わずにはいられない経産省の実証実験とは?

まとめ

スマホ画面を抑える。この重要性がお解りいただけたことと思います。

私は、2019年10月の消費税増税の前後に、この流れが加速すると想定しています。そして、多くの調剤薬局が患者を失うとも想定しています。これは、中小調剤薬局に限りません。大手チェーン調剤薬局も、おそらくやられます。そして、患者の行き着く先とはドラッグストアです。

想像してみてください。

消費税は10%になります。これだけでも消費者は敏感に反応します。でも、それだけではないことはあなたもご存知でしょう。キャッシュレス決済を利用すれば、5%のポイントを還元してもらえます。

中小小売・飲食・宿泊 5%還元
コンビニ、外食、ガソリンスタンドなど
大手系列のチェーン店
2%還元
百貨店など大企業や病院、住宅など一部の除外業種 還元なし

もちろん、調剤に支払うお金にポイントは還元されません。しかし、上図のようにポイントが還元されるところと、されないところがあります。また、5%と2%といった違いもあります。重要なのはこの点です。

2019年の4月以降、徐々にこういった情報がテレビのワイドショーや雑誌に取り上げられるようになります。7月以降など、連日こういったポイントの違いやお得な利用方法などの番組が繰り返されることになります。つまり、消費者はどんどん敏感になります。

「でも、ドラッグストアはポイント還元の対象外じゃないか!」

そんな声も聞こえてきますが、それはその通りです。ですが、私は次のように想定しています。

政府のポイント還元予算は速攻で使い果たしてしまい、ペイペイの二の舞になる。そして、それを想定してドラッグストアは独自に2%のポイント還元をする。つまり、政府の予算が尽きるまで、体力勝負に打って出ると想定しています

さて、こんな想定が当たるか当たらないかは置いておいて、重要なことは次の点です。

この市場のうねりは、調剤薬局が患者を獲得する大きなチャンスになります。経営がわかっている経営者ならお解りですよね。ともに、この大きなチャンスをつかみ取りましょう。

また、次のふたつの無料レポートは読んで置くことを合わせてお勧めしておきます。

とくに、前者のレポートは中小調剤薬局には重要です。なぜなら、私はほとんどの調剤薬局経営者が、経営を忘れて調剤報酬だけに囚われていると感じているからです

調剤薬局の収益=患者数×調剤報酬+薬価です。調剤報酬は重要ですが、それも足を運んでくれる患者があってこそのもの。なかには、介護施設で十分な利益を上げている薬局もありますが、それも「介護施設で回している調剤薬局は、2020年の調剤報酬改定前に注意しておきましょう!」をお読みになれば危険であることにお気づきになるでしょう。

ぜひ、2020年の調剤報酬改定を笑って迎えることができるよう、今から準備してください。

 


【重要】

調剤薬局の収益=患者数×調剤報酬+薬価差益です。この内、調剤報酬と薬価差益は今後も一方的なルール変更が繰り返されますから、コントロールができません。一方で、患者数は経営努力次第で増えることもあれば減ることもあります。2019年、そんな経営者の力量が試される時代がやってきました

この大きな経営環境の変化の波に乗り、大きく新規の患者数を増やそう。そう思われる方は、キャッシュレス戦略セミナー2019にご参加ください。