そう遠くない未来に、今の薬局薬剤師の仕事の多くが激減してしまうかもしれません!ということは…

今回の記事では、薬剤の自動搬入・払出装置「BD Rowa Vmax」をご紹介いたします。

この機械はものすごく便利な反面、将来、私たち薬剤師の仕事を奪いかねない存在になるかもしれません。

以下が機械の詳細です。

・薬剤の自動搬入・払出装置「BD Rowa Vmax」

 

この機械では、処方箋の情報を基に、ロボットアームが装置内の棚に並ぶ医薬品の箱を取りに行き、取り出し口に自動的に払い出します。

払い出しにかかる時間は8~12秒、平均で10秒ほど。処方箋に複数の薬剤が書かれている場合も、効率的な動きで払い出します。

また、薬剤の箱のバーコードを読み込んで、装置内の棚に戻す機能もあり、医薬品卸から納入されてきた薬剤の箱にあるバーコードを読み取り、自動的に補充することも可能です。

さらに、棚にある医薬品の並び順を自動的に変えていくのも、大きな特徴です。薬剤の置き場所として、よく払い出されるものを手前に置き、そうでないものは奥に置くといったことも自動で行います。また、この機械には薬剤の使用期限を入力する機能もあり、在庫の管理に役立ちます。

なお、払い出しがない夜間などには、自動的に内部を清掃する機能もあり、装置の中に人が立ち入ることはメンテナンス以外ではほとんどありません。

海外では、この機械が店舗でのOTC薬の販売にも活用されています。

店員が顧客の求めを聞いて、デジタルサイネージ(BD Rowa Vmotion)に表示されたOTC薬の中から該当する商品を選んでタッチすると、その商品が払い出されて店員のいるカウンター内に出てくる仕組みです。画像OTC

この機械は参考価格として、12万ユーロ(約1550万円)からとなっており、イギリスなどでの導入が進んでいます。

 

日本でもこの機械の導入が進むこととなったきかっけとして、グレーゾーン解消制度で経産省に紹介した仕組みがあります。

以下「薬剤師が調剤棚の前に立たなくなる日」から抜粋

・グレーゾーン解消制度で経産省に照会した仕組み

“実はこの自動搬入・払出装置は、経済産業省が2018年6月に発表したグレーゾーン解消制度を使った照会に対する回答に深く関係している(関連記事:「『ピックアップターミナル』での薬の授与は合法」)。

この照会により、薬局の営業時間外に調剤した医薬品を受け渡すサービスについて、医薬品医療機器等法(薬機法)に抵触しないことが明らかにされた。

サービスの流れはこうだ。まず薬局が処方箋を受け付け、薬剤師があらかじめ他の薬剤の使用状況を確認し、処方監査、対面での服薬指導をする。

その際に、薬剤師が問題なしと判断した場合に、調剤した薬剤を自動搬入・払出装置に入れておき、患者本人に確実に授与される「ピックアップターミナル」を介して、患者が薬剤を受け取るというものだ。

こうしたサービスが合法かどうかを照会した業者が、日本BDだった。医療職の間では、感染症の迅速診断キットや検体検査装置などを提供するメーカーとしてなじみがあるが、既にBD社は海外で、薬局向けにこの自動搬入・払出装置やピックアップターミナルを提供しており、このほど日本での展開に向けて、経産省への照会に至ったという。”

つまり、簡単にいうと、患者があらかじめ薬剤師から服薬指導を受けていれば、ピックアップターミナル(薬剤の自動搬入・払出装置「BD Rowa Vmax」の窓口に当たる装置)で薬剤師を介さずにお薬を受け取っても法律上問題ないということです。

実際に今年の3月から大阪の梅田に新しくオープンする薬局で今回ご紹介した機械が導入されるようです。

以下「対物業務はロボットに任せる。これからの薬局を作りたい」から抜粋

“2019年3月1日、大阪・梅田駅直結のビルに、薬局の未来像を予感させる店舗がオープンする。

店舗の名前は梅田薬局。同じフロアに5施設・6診療科の診療所が入居する医療モール「大阪梅田メディカルセンター」の一角に位置する。

梅田薬局の大きな特徴は、「自動搬入・払出装置」を導入する点だ。今は人の手で行われている調剤棚への医薬品の補充や、調剤時の医薬品の取りそろえをロボットが担う。

この装置は、日本ベクトン・ディッキンソン(東京都港区)が発売する「BD Rowa Vmax」で、梅田薬局は日本で初めての導入施設となる。

装置は、処方箋の情報を基に、ロボットアームが装置内の棚に並ぶ医薬品の箱を取りに行き、平均10秒ほどで自動的に払い出す。また、薬剤の箱のバーコードを読み込んで装置内の棚に戻す機能もあり、薬剤の補充も行う。医薬品の払い出し頻度を踏まえて、棚に並ぶ順番を並び替える機能もある。

この装置は、薬剤が箱で払い出される“箱出し調剤”なので、梅田薬局では薬剤師が計数を行って、残った薬剤の箱に新たなバーコードを貼り、ロボットが棚に戻すオペレーションで運用する予定だ。

さらに、梅田薬局では自動搬入・払出装置に、薬剤を無人で渡す窓口「ピックアップターミナル」も付ける。服薬指導を事前に済ませ、開局時間外に薬剤を取りに来た患者に対して、バーコードの認証で薬剤を払い出す仕組みだ。

「今の薬局は、対物業務に追われている。ロボットができることは、ロボットに任せたいと分かっていても、よいツールがこれまでなかった。厚生労働省も対人業務の重視に本腰を入れ始めたタイミングであり、チャレンジをしていきたい」(渡部氏)。今後、梅田薬局と、他の店舗で、業務の効率化などを比較し、そのエビデンスも公表していきたい考えだ。

実は、ロボットを導入する梅田薬局で働く薬剤師を社内で募る過程で、「ぜひ働いてみたい」と希望する薬剤師がいる一方で、「これまでやってきた仕事がなくなってしまう」などと前向きでない声も上がった。“

このように日本でもすでにこの機械の導入が始まっています。

またこの記事の中で、「ロボットを導入する梅田薬局で働く薬剤師を社内で募る過程で、「ぜひ働いてみたい」と希望する薬剤師がいる一方で、「これまでやってきた仕事がなくなってしまう」などと前向きでない声も上がった。」という部分が気になった方もいるのではないでしょうか?

わたしもこの記事を読んで、「あぁこれはそろそろ本格的にやばいかもしれない・・・」と確信しました。というのも、私たち薬剤師の仕事の大半が薬をピッキングすることだからです。

今回の記事でお分かりいただけたと思いますが、国も「薬剤師を介さない機械による薬の受け渡し」を法的に認めました。

また、現在、日本では「箱出し調剤」が主流ではありませんが、日本でも導入が始まっており、将来海外のように「箱出し調剤」が主流になったとしたら・・・

また、別記事「オンライン服薬指導で処方薬が自宅に配送される時代がすぐそこに来る!としたら…」でご紹介しているように、オンライン服薬指導も普及し始めてきたらどうでしょうか?ピッキングは「BD Rowa Vmax」が行い、服薬指導はオンラインで行うため薬局に薬剤師はいる必要はありません。

そうすると、私たち薬剤師の仕事がなくなり「薬剤師」という職業が淘汰されてしまうことは言うまでもないでしょう。

ですので、今後はこのような最悪の事態も想定をしながらどう生き残るかを考えて対策を講じなければなりません。対策を始めるにあたり、早すぎるということはありません。出来るだけ早いうちから準備をしておきましょう。

このまま何もしなかったらほんとうに大変なことになってしまうけれども、何をやればいいのか分からない・・・という方は以下の記事をご覧ください。あなたのお役にたてるはずです。

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処方箋枚数を増やす二度とないチャンスです!調剤薬局が患者を集客する方法とは?

誰にでもカンタンかつ低コストでできる、調剤薬局が新規患者を獲得する方法とは?

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調剤薬局の収益=患者数×調剤報酬+薬価差益です。この内、調剤報酬と薬価差益は今後も一方的なルール変更が繰り返されますから、コントロールができません。一方で、患者数は経営努力次第で増えることもあれば減ることもあります。2019年、そんな経営者の力量が試される時代がやってきました

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