2020年までに1包化鑑査支援システムを導入し、薬局の生産性向上を目指すべき理由とは?

当社で導入している1包化鑑査支援システムをご紹介いたします。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、1包化鑑査支援システムは、発売当初より進化しており1包化を鑑査する精度、スピードが格段に上がっているようです。

主な製品とメーカーは、

・PROOFIT 1D(富士フィルム)

・Tabsight YS-TPM-01(湯山)

です。以下詳細をご紹介いたします。

PROOFIT 1D(富士フィルム)

2019年1月に発売される新商品『ROOFIT 1D』です。製造は富士フィルムですが、

販売は株式会社カゾノ、株式会社湯山製作所のどちらからでも購入が可能です。

価格はおおよそ薬剤師の年収くらい(メーカーによる)ですが、その機能に注目が集まっております。

販売担当者に聞くと、「値段は今までの機器より高いですが、操作性、機能性に優れています!」と話を聞きました。

画像認識技術

もともと、写真フィルム技術を持っていた富士フィルムだからこそできた画像認識技術です。

錠剤の刻印1つ1つを黒字でなぞって表示してくれる機能がこの機器の強みです。しかも、1包ずつすべての錠剤の刻印をくっきり表示してくれます。さらに、薬剤をタイル状に一覧表示してくれて、刻印、文字の向きを揃えて表示することが目視鑑査のわずらわしさを解消することが可能です。

もちろん、分包情報と異なる薬剤を検知したら明瞭に画像に表示されます。

ならし機能

錠剤が立っていたり、重なっていると判断された場合のみ、自動でならし機能が発動します。

刻印を読み取りやすくする機能であり、読み取り精度をあげる重要の機能だと言えます。

高画質な撮影、高精度な

写真やメディカル分野で培ってきた光学設計・撮像設計技術をベースに高画質な錠剤撮影が可能なようです。

高精度、しかも高速で画像抽出が判断でき読み取り速度は約2秒/包です。

例えば30日分の1包化(朝のみ)の場合、『ROOFIT 1D』なら60秒で薬の鑑査が終わります。

一見時間がかかるように思われますが、自動で鑑査をしてくれるので薬剤師がそのほかの作業をすることができるので生産性を高めることができます。

画像や記録の保管

機械鑑査に使用された画像は、1包ごとの撮影画像50万包分を専用のPCに保存することが可能です。

いつでも検索、印刷可能なので、薬局の安全管理にも役に立ちます。

まとめ

『ROOFIT 1D』は、画像認識技術に優れており、鑑査のスピードは約2秒/包、精度は90%以上とかなりのハイレベルな機器だと言えます。

さらに、画像の保存容量も多く薬局のリスク管理に役立ちます。

値段が少々高いことがリスクと考えられますが、これらの調剤機器に設備投資ができない薬局は今後、潰れていくであろうと予想されます。

Tabsight YS-TPM-01(湯山)

株式会社湯山製作所が製造・販売しております。

こちらも使い方が簡単でバーコードを読み込ませるてから、1包化したものを機械に通すだけで鑑査をしてくれます。

機能

高精度のカメラで画像を認識して、数量、色調、形状を判断して錠剤を鑑査します。

錠剤の色の判別(青色、赤色、黄色)の機能もありより詳しく錠剤を判定します。

錠剤以外の異物混入もしっかり知らせてくれるのでとても便利です。レセプトコンピュータとの連動で薬の情報も表示してくれます。

ただし、湯山の分包機でないと対応していないようなので他社の製品を使われている薬局は『Tabsight YS-TPM-01』の導入はメリットがあまりないでしょう。

湯山製品の分包機を導入されている薬局は導入して、今後の自動化にいち早く対応するべきでしょう。

生産性向上を可能にした薬局の例

この1包化鑑査支援システムを導入している薬局に勤務している友人(薬剤師)の例です。

1人薬剤師。1日約40枚の内科。田舎で1包化の割合が比較的多い。5名連続で1包化が続くなんてことはザラにある。

その間に、血圧だけの薬の方が来られたりするとかなりお待たせしてしまうことがあり、クレームも複数件あり。

1包化鑑査支援システムを導入すると機械が読み取っている間に血圧だけの方(比較的薬が少ない方)を投薬することができるようになり効率よく薬を渡せるようになった。

 

1種類の薬だけもらいに来られる患者さんはすぐに薬が出てくると思われている方が多いです。このように、鑑査を機械に任せることで効率よく相手のニーズに合わせてお薬を渡すことも可能です。

 

別の方(薬剤師)の例を見てみましょう。

55歳薬剤師。総合病院前の薬局勤務。1包化が多く薬の錠数、日数が多い。しかも、老眼が進んで1包化の刻印がなかなか読めない。

錠剤が二重に見えて錠数もあっているかどうか不安だった。目の調子が悪い日は虫眼鏡で錠剤を鑑査する始末。

一緒に勤務しているスタッフの目線が冷たくストレスを感じていた。

1包化支援システムを導入したところ、これらの問題が一気に解決してストレスなく働くことができている。本当に感謝しています!とのこと。

 

最後に、メーカーに直接話を伺った例です。

複数の施設を抱えている薬局。多い時で施設処方せんが1日40枚。翌日には施設にもっていかないといけない状況。

夜10時まで残業なんてザラで、日中の患者さんが多い時は日をまたぐこともあったよう。

メーカーに相談があり、自動分包機と1包化支援システムを導入したところほぼ残業がなくなった。

日中に自動分包機が錠剤を自動で作り、時間が空いたときに1包化支援システムで自動鑑査。只々、これを繰り返しただけだそうです。

経営者の方から残業代が減り、スタッフの疲労感もなくなったのでとても感謝された。

 

なぜ、今まで導入に踏み切れなかったのか?質問したところ、

「初期投資の費用」

がネックになっていたようです。

1包化支援システムだけではない薬局の設備投資

今回は1包化支援システムのご紹介をさせて頂きましたが、別の記事でも調剤支援機器についてご紹介しております。

薬剤師の人件費より安いのに!薬剤師2人分の働きをするEser(錠剤全自動分包機)!?

PTP除包機で業務効率化を!一包化にかける時間短縮と在庫の簡略が可能です!

Tiara(PTPシート全自動薬剤払出機)を導入するとピッキングの手間が半分以下に!?

上記のような調剤支援機器はごく1部です。初期の設備投資をケチってしまうと薬局の生産性は高まることはありません。

また、田舎の薬局は薬剤師不足が深刻です。

これを補うために調剤支援機器の導入を決め、機械を使いこなしながら今の人数でやりくりをする覚悟が必要でしょう。

今後の調剤薬局

1包化鑑査システムを導入すると、従来の一包化に関する業務が以下のように変わります。

・煩わしい目視鑑査を省略できる。

・1包化鑑査の時間を他の業務に充てることができる。

・ストレスが格段に減る

薬剤師の人件費より安いのに!薬剤師2人分の働きをするEser(錠剤全自動分包機)!?

の記事でもご紹介しましたが、1包化に関して今後薬剤師がやることは何もなくなってしまうでしょう。

なにが言いたいかというと、一包化加算というものが将来調剤報酬から消えてしまうのではないかということです。一包化加算というものは、いわば分包の手間賃のようなものです。しかしそれをすべて機械がやってくれるとしたら手間賃もなにもないですよね?

いまや医療費削減にやっきになっている国がこれをみたらどう思うでしょうか?調剤報酬改定で一包化加算も減算されていることを含めて考えたら、一包化加算が減らされるもしくは最悪の場合なくなることはあっても、一包化加算が増えたり現状のままということは考えられないでしょう。

いままでこういった加算のおかげで何とか生き残ってきた薬局だと、もしも一包化加算がなくなってしまったらどうなるでしょうか?

いま調剤薬局業界にはとてもきびしい逆風が吹いています。このまま何もせずにありもしない希望にすがって調剤報酬改定を待つだけでは明るい将来はありえません。

ですので、今後は最悪の事態も想定をしながらどう生き残るかを考えて対策を講じなければなりません。対策を始めるにあたり、早すぎるということはありません。出来るだけ早いうちから準備をしておきましょう。

なお、いくら自動化で監査が早くなっても患者数が増えなければ意味はありません。そこで、もし、そういった患者の教育についてのヒントが欲しい方は、私のクライアントが実際に使ったチラシの見本をプレゼントさせていただきます。別記事「誰にでもカンタンかつ低コストでできる、調剤薬局が新規患者を獲得する方法とは?」から無料でダウンロードできますのでお役立てください

 


【重要】

調剤薬局の収益=患者数×調剤報酬+薬価差益です。この内、調剤報酬と薬価差益は今後も一方的なルール変更が繰り返されますから、コントロールができません。一方で、患者数は経営努力次第で増えることもあれば減ることもあります。2019年、そんな経営者の力量が試される時代がやってきました

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