調剤薬局に電子お薬手帳の導入はゼッタイに必須!【その理由と選びかた・種類の紹介をします】

「電子お薬手帳?たまに言う人いるけど、うちにはあまりいないね」

と言われる薬局の方。

もしかしたら、電子お藥手帳が使えないから、あなたの薬局に来ていないのかもしれませんよ。

現在、お薬手帳を使っている患者の割合は60〜70%と言われています。

では、電子お薬手帳を現在利用している人の割合はどれぐらいかご存知ですか?

とある調査では、患者の約13%が利用している計算となるようです。

まず、この数字を見てどう思われますか?

  • 少ないから、あまり重要ではないのだろう
  • 今後まだ、伸びる余地がある

薬剤師の方は、数字に強い人が多いでしょうから、この数字を見て上記の様な「少ないから、あまり重要ではないだろう」と思われる方はかなり少数派だと思われますが、あなたはいかがでしたでしょうか。

厚生労働省の「患者調査」によると、2014 年の外来患者数は病院、一般診療所、歯科診療所を含め約724 万人、入院患者数は約130 万人と推計されています。

つまり、電子お薬手帳は現在130万人が利用している計算となります。

さらに、今後保険薬局へのサービス導入が進み利用環境が整備され、患者自身が自身の医療・健康情報を自己管理する意識が根付けば、紙のお薬手帳並みの普及が見込まれるため2025 年には入院・外来患者数の半数の約422 万人が利用すると予測する調査もあります。

この数字を見て、電子お薬手帳を導入しない薬局はどうなるか。簡単に予想がつくでしょう。

「まだ、うちは・・・」

と思われている薬局は、今回見直したほうがいいかもしれません。

単なる、紙のお薬手帳の代わりと思っているのであるなら、特に注意が必要です。

電子お薬手帳の一般的な機能を紹介します

まず、今までお薬手帳アプリを導入しようとしていない薬局では使ったらどんなメリットがあるのか?

ということをわかっていないと思われます。

 

電子お薬手帳アプリは、現在スマートフォン保有率の高い20 代~40 代のうち、特に健康意識の高い30 代~40 代を中心に利用されています。

その中でも

乳幼児を持つ母親や高齢者家族のいる世代によく利用されています。

つまり、薬の管理をしっかりしないといけないという状況の人に多いと考えられます。

まず、どの様なものが電子お薬手帳なのか見ていきましょう。

 

電子おくすり手帳の一般的な機能としては以下のものがあります。

  • 処方箋の自動送信機能
  • QRコードを使った薬情報の登録
  • 飲み忘れ防止
  • 服薬管理
  • 家族など複数人の薬の管理

では、1つずつ詳しく見ていきましょう。

 

処方箋の自動送信機能がついている

事前に処方箋のデータを送ることで、待ち時間なく処方薬を受け取ることができる機能です。

処方箋を渡したあと待合室で待たなくてもよいので、患者としては時間の効率化となり、便利ですし実際この機能を使う人が多くなっています。

特に都会では、この機能があるなしで処方箋の枚数が増減しているデータもあります。

また、待たなくていいということは、インフルエンザなど感染症がはやる時期や、体調が悪いとき、他の患者さんから何かうつされるのでは!といった薬局での二次感染の心配がいらなくなります。

さらに、子供さんを連れている場合、かかりつけの薬局にドライブスルーがあれば、先に処方箋の情報を送ることで、車から子供を下ろす手間もなく、もう準備ができているため、組み合わせれば、非常に便利なツールとなります。

また特に主婦の方であれば、病院受診後に処方箋を事前に送って予約をし、薬局に行くまでの間に買い物など用事を済ませておく。そのような時間短縮となるというメリットもあります。

買い物などの用事がなくても帰宅途中の薬局などであれば、スムーズな受け渡しが期待できるでしょう。

QRコードなどを使った薬情報の登録ができる

薬局でもらう薬の説明が書かれた紙には、多くの場合QRコードが付いています。

このQRコードを読み取ると、自動で薬の情報を登録できる機能です。

お薬手帳アプリの種類には、事前に登録をするとそのQRコードさえも読み込むことなく、薬局からの薬の情報を自動でお手持ちのアプリに入れられるものもあります。利用できるのであれば、そちらのほうが便利でしょう。

飲み忘れ防止機能がある

薬を飲む時間になるとアラームなどで教えてくれる機能です。

特に忙しい時間帯に飲むのを忘れたり、自分の薬だけではなく、子供や家族の薬を飲ませ忘れないようにという点でも、使える機能だと思います。

患者で忙しい人や飲み忘れが多いという人に勧めることができるツールでしょう。

服薬管理記録を作成できる

これは紙のおくすり手帳と同等の機能ですが、今までの薬の処方記録ができます。

紙のお薬手帳であれば、保管をきちんとしておき、持っていくのを忘れると確認ができないのですが、クラウド型の情報記録バックアップ機能がついているものであれば、例えばお薬手帳忘れたり、さらに携帯電話をなくしてしまった!という場合でも飲んでいるお薬の確認が取れるケースがあります。

もともと大震災などの災害時にお薬手帳が大活躍したのはご存知でしょう。

実際に、東北大震災では、紙のお薬手帳を持っていた人は、お薬内容がわかりスムーズにお薬をお渡しできました。

災害で手帳がなくなってもクラウド型ならば、確認が取れる可能性もあるため、勧められているのです。

患者さんに「これがあったから助かった!ありがとう」と言われることを想像すると、導入しておいたほうがいいと思いませんか。

家族など複数人の薬の管理ができる

家族の薬の管理が1つのアプリ内で行える機能です。

自分の分だけではなく子供の薬、または両親の薬などまとめて管理することができます

複数のお子さんがいらっしゃるお母さんでは、お薬手帳の管理が非常に便利になると予想されますし、現在実際に利用する割合が多いです。

また、子供の受診を両親に任せる際に、両親が持っているスマホでIDを切り替えるだけで飲んでいる薬の確認が取れるというものもあります。

「お薬手帳アプリだけど、スマホを渡さないといけないでしょ?」という患者には、こういったものをおすすめするとよいでしょう。

またクラウド型であればそういったものも必要はなく、スマホ所持がなくても確認できます。

電子お薬手帳・お薬手帳アプリの選び方

では実際にアプリにはどの様な種類があるのかということですが、登録・契約する必要があるもの。

全く必要のないものもあります。

患者にとって便利なものを選ぶことが一番ですが、それぞれの置かれた環境があるでしょうから、紹介する中で選んでみましょう。

薬局チェーングループに所属している薬局

薬局チェーンに所属している薬局には、特にいう必要はないと思います。

そのチェーンで独自に作っているアプリがあれば、それを利用しましょう。

また、薬局チェーンでも独自に作っていなくても、提携している電子お薬手帳がある場合も多いです。そういったものがあれば、それを利用するほうが良いでしょう。ですので、導入されている電子お薬手帳の種類を確認しましょう。

薬局チェーングループなどに所属していない薬局

独自でアプリを作成するのには、金額と時間が膨大にかかります。

薬局の名前が入ったものであれば、確かに差別化がはかれる可能性はありますが、後のメンテナンスなどを考えるとかなりの労力となることは目に見えています。

電子お薬手帳開発ベンダーが作成しているものを利用するほうが、理にかなっていると考えられます。

それぞれ紹介していきますので、その薬局の目的にあったものを選ぶ様にしましょう。

費用が必要なもの

1、ポケットファーマシー

ポケットファーマシー販売株式会社

初期費用:8万円(1店舗当たり)

月額使用料:1万円(1店舗当たり)

 

自動でスマホに薬の登録ができる。

加盟店薬局検索はこちら

 

また、最初の認証をしてしまえば、スマホを患者が忘れても確認が取れます。

つまり、お薬手帳を忘れたとしても、患者の併用が確認できることから、確認の手間が省ける。

さらに、患者はお薬手帳を持参したことになります。

かかりつけの薬局としておすすめしやすいものではないでしょうか。

スマホにデータをPDF保存できる機能もあり、災害時に通信が途絶えても安心機能つき。

2、EPARK

株式会社フリービットEPARKヘルスケア

初期費用:15万円(1店舗当たり)

月額使用料:2万円(1店舗当たり)

※他店舗割引あり

(注意)処方箋送信機能は1枚ごとに金額が発生あり(2019年1月時点)

 

EPARKに加盟している薬局は全国8000店舗で、登録数は一番

よく利用する薬局を、かかりつけ薬局に登録しておけるため、自薬局を登録してもらえばくる可能性が上がる。

費用が高いのが少し難点かもしれないが、都会など面分業が盛んなところではうまく活用することで十分取れるでしょう。

ワンタイムコード発行あり。

3、harmo

ソニーコーポレーション

 

初期費用:10万4700円(1店舗当たり)

月額利用料:8900円(1店舗当たり)

harmo加盟店に入り、患者にカードを作ってそれに情報を入れると、harmoに加盟している医療機関(病院・診療所・歯科診療所・薬局)ではカードをかざすだけで、お薬手帳を共有できます。カードがあると自動でアプリに薬登録機能があり、地域などで利用していれば非常に便利。

ただ、病院などが採用していない場合、カードがあっても確認ができないため、スマホを見せるなどで対応してもらわないといけない。

また、1アカウントにつき1台しか使えない、求められる個人情報が多い。

その分、セキュリティーはよりしっかりしているのでしょう。

費用をなるべくかけないで電子お薬手帳を導入

まずは、費用がなるべくかからないものをと考えている薬局はこちらを導入すれば良いでしょう。

アプリでの患者情報の登録などは不要のものが多く、ただ、基本的には処方内容はスマホに自動的に入りません。

患者がQRコードを読み取って、または自分で登録するタイプが主となります。

ただ、前述したお薬手帳アプリもQRコードを読み取ったり、手入力することができますので、前述のもの使うというのでも構いません。一つのアプリにまとめることをお勧めします。

1、日薬e-お薬手帳

日本薬剤師会

初期費用:なし

月額利用料:1500円(日本薬剤師会会員が管理薬剤師である薬局)、それ以外は2000円

他と比べてもかなり安い。

 

QRコードで読み取るタイプ。自動送信機能はなし。

薬剤師会が作っているため、スタンダードなお薬手帳アプリ

そのため、いい意味でも悪い意味でも特徴がない。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

日薬e-お薬手帳は費用は抑えてありますので、初期導入しやすいですが、周りの薬局との差別化にはならず、どの薬局に行っても利用できる点がネックとなる可能性はあります。

かかりつけで薬局での囲い込みを考えると、費用がかかっても、患者が便利な方を選ぶのかはあなたの考え次第です。

また、お薬手帳の評価も患者により評価はまちまちです。アプリのダウンロードサイト口コミでも評価はばらけていました。

ですので、結局はその薬局がこのツールをどの様にごとに利用するかにかかっています。

ちなみに、上記のアプリは患者が取得するのには、全て無料です。

重要なのは、こういった電子お薬手帳もまた、うまく利用すると新規患者(門前以外)の獲得につながります。再三指摘していますが、2019年、調剤薬局にはじめて経営者の力量が求められる時代がきました。

これは、力のある経営者にはとても大きなチャンスとなります。適切な手立てを打てば、患者数を大きく増やせる可能性があります。ぜひ、このチャンスを活かしてください。

患者数を増やす施策について、重要なポイントは患者への「教育」です。

適切な情報で患者を教育してあげれば、既存患者の流出を防ぐことができます。また、ご家族が他の薬局を使っているのなら、その処方箋を獲得できることでしょう。さらに、ライバルの調剤薬局から流出する患者も自店に招き入れることも可能でしょう。

そしてもし、そういった患者の教育についてのヒントが欲しい方は、私のクライアントが実際に使ったチラシの見本をプレゼントさせていただきます。別記事「誰にでもカンタンかつ低コストでできる、調剤薬局が新規患者を獲得する方法とは?」から無料でダウンロードできますのでお役立てください

 


【重要】

調剤薬局の収益=患者数×調剤報酬+薬価差益です。この内、調剤報酬と薬価差益は今後も一方的なルール変更が繰り返されますから、コントロールができません。一方で、患者数は経営努力次第で増えることもあれば減ることもあります。2019年、そんな経営者の力量が試される時代がやってきました

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