2019年、調剤薬局は患者を集客して処方箋枚数を増やしておかないと、2022年以降はヤバイかも?

1990年代以降、政府の政策による院外処方への誘導は、全国の病院・診療所前の景色を大きく変えてきました。大手病院前には無数の薬局が林立し、あちこちの診療所前にはいわゆる門前薬局が次々と開局していきました。そして、ほんの10年前まで、調剤薬局の多くは我が世の春を謳歌してきました。が、その景色が徐々に変わりつつあることは調剤薬局経営者の方ならお解りでしょう。

重要なのは、社会保障費や医師不足および医師の過重労働、看護師不足、介護士不足という現実を鑑みると、近未来にまさしく景色は一変している可能性が高いことです。今までの業界地図の変化を、春から初夏に向かっていたと例えたとしましょう。ならば、2022年もしくは2024年度の調剤報酬改定では、もしかしたら調剤業界の景色は初夏から一気に氷に閉ざされた極寒に向かう可能性も十分にあります

おそらく、M&Aなど無意味なものになります。つまり、今から本質的なビジネスモデルの転換ができない調剤薬局は、確実に退場を迫られることになるでしょう。

業界地図と経営環境の理解はとても重要です。そこで、まずは業界地図の変化から確認しておきましょう。

ドラッグストアという異業種?の参入!

2010年ほどまで、調剤薬局の経営状況は門前に位置する病院の患者数で決まっていました。門前から他の薬局に多少の患者流出はありましたが、処方箋を応需するプレーヤーが限られていましたからそれで経営は成り立っていました。しかし、そこに新しいプレーヤーが参加してきました。それがドラッグストアです。

ドラッグストア主要5社がそろって最高益!

2017年度決算では、ウエルシアとサンドラッグ、マツキヨHD、スギHD、ココカラファインの5社がそろってすべて純利益が過去最高となりました。各社とも日用雑貨やヘアケア製品に加え、食品の品ぞろえを強化。その集客力で、コンビニやスーパーなどを利用していた人たちを呼び込みました。

コンビニやスーパーなどより安価な販売価格で消費者をひきつけ、高利益率のOTCや健康食品、化粧品の販売で業績を伸ばしています。また、サンドラッグを除く各社は調剤併設店を順調に増やし、調剤部門の利益が業績に大きく貢献していることはご承知の通りです。

さらに、ドラッグストアを使えば処方箋の支払いでもポイントが貯まります。上記はウエルシアですが、ここは共通ポイントであるTポイントが貯まります。クレジットカードなどで支払うことでカードのポイントも貯まりますから、調剤薬局を利用するよりも圧倒的なお得感があります。

国はかかりつけ薬局を推進!

調剤薬局市場は、1~3店舗で運営するいわゆる「パパママ薬局」が全体の半数を占めるとされています。国がすすめる「かかりつけ薬局」では、次のようなスローガンがかかげられています。

  • バラバラから1つへ

患者に1つの薬局を「かかりつけ薬局」と決めてもらう。飲み合わせや過剰処方、残薬をより細かくチェック。

  • 対物から対人へ

薬の取り揃えや調合は機械に任せ、薬剤師は患者のカウンセリングや医師との連携などの対人業務に専念

  • 立地から機能へ

「病院に近いから」という理由ではなく、薬剤師の専門性や在宅医療など多様なニーズで選ばれる薬局に

こういった国の政策の裏に、医療費の抑制があることは明らかです。また、2018年度改正では大手チェーンを狙い撃ちしましたが、その医療費削減効果は限定的です。そこで、今後メスを入れるがパパママ薬局となります

少なからず新たなプレーヤーも参入している!

調剤薬局大手のクオールは、ローソンとの一体型店舗を増やしています。処方箋の受付に加えOTCの販売も手掛け、コンビニとの相乗効果で集客力を高める戦略です。

その販売実績は好調で、1店舗当たりの売上高はローソン全店の平均を上回り、客数はローソン単独店を大きく上回っているようです。また、処方箋の受付回数も前年比で2割近く伸びています。明らかにコンビニ機能との相乗効果が出ていることから、今後出店ペースを加速するようです。

このクオール薬局のローソン併設店では、OTC医薬品販売、調剤薬局、介護相談窓口、栄養相談の機能を集約させた店舗です。したがって、街の中小調剤薬局よりもはるかに、国の「かかりつけ薬局」に近いものとなります。また、ドラッグストアの調剤併設店も同じような機能をもつことから、ますます中小調剤薬局の存在意義が問題視されることになるでしょう。

また、ドラッグストアと同じように調剤での支払いでもポイントが貯まります。クオールは資本提携するローソンとの融合店「ローソン×クオール薬局」の全店舗で、三菱商事系の「Ponta(ポンタ)」ポイントを付与しています。これは、クオールのコンビニ融合店限定のサービスで、調剤薬局単体の店舗では付与していません。

処方薬の患者負担額の100円につき1ポイントのPontaポイントが付与されます。このポイントは、ローソン店舗の一般用医薬品(大衆薬)のほか食品や飲料、雑貨、雑誌などの支払いに使うことができます。ただし、ポイントは処方薬の購入には使えません。しかし、コンビニ以外でもPonta提携のスーパーや飲食店、家電量販店、ガソリンスタンド、旅行会社など様々な店舗で利用できるので消費者には魅力でしょう。

大手チェーンの取り組みは?

大手チェーンの調剤薬局やドラッグストアでは、かかりつけ薬局機能を高めようとさまざまな取り組みをしています。例えば…

  • アインホールディングス:禁煙や認知症などに関する無料セミナーの開催
  • 日本調剤:管理栄養士が栄養相談に応じる。簡易血液検査の実施(有料)
  • クオール:健康情報を管理できるスマートフォンアプリの提供
  • マツモトキヨシHD:健康サポート薬局で月1回程度、健康相談会の開催
  • 薬樹:薬剤師や管理栄養士によるカウンセリングサービスを提供する会員組織「健ナビ倶楽部」を

このように、大手チェーンが国の政策である「健康サポート薬局」に最適化しようと経営努力を重ねています。一方で、そういった取り組みを本格的に行っている中小調剤薬局は、果たしてどれくらいあるでしょうか?

また、そういった大手が2018年度改正では大きなダメージを負いました。ならば、国の政策に最適化していない中小調剤薬局への風当たりはどうなるのか?容易に想像できます。そう、次回改正で国はそこにメスを入れることになります。なぜなら、すでに4年間の猶予を与えていたからです。

今現在、ドラッグストアの調剤併設店が近隣にあるのなら、確実に患者数は減少を続けています。これは、2019年消費税増税時にさらに加速しますから、なんの対策もうたない調剤薬局は2020年の初頭、気づいたときにはすでに取り返しがつかないような経営状況となるでしょう。

私は、そういった調剤薬局のために「誰にでもカンタンかつ低コストでできる、調剤薬局が新規患者を獲得する方法とは?」をご紹介し、集客にお役立ていただいております。

自動分包機や自動監査機、PTP除包機などによる自動化は必須!

繰り返しますが、国は2016年の調剤報酬改定において、「かかりつけ薬局」で次のような指針を出しました。

  • 薬の取り揃えや調合は機械に任せ

そんな国の政策に反応するように、調剤を支援する機器はどんどん進化しています。

私のクライアント(調剤薬局)は薬剤師不足ということも重なり、すでにこういった機器を導入して調剤業務の効率化を図っています。

すでに4年の猶予が与えられています!

2018年の調剤報酬改定では、大手チェーンが狙い撃ちされた一方で、中小調剤薬局はほとんど無傷。これは、いったい何を意味するのでしょうか?私は、この事実からクライアントに次のように指示しました。

 

「今回の改正で中小薬局が無傷だったことから、2020年改正は中小の番だよ!少なくとも、機械化により「薬の取り揃えや調合は機械に任せ」と4年前に言っておいたんだから準備はできているよね!と、日数加算や一包化加算に踏み込んでくることが想像できる

 

薬剤師の負担を減らすために機械化は必ず推進すること。ただ、単に機械化をしても機械が遊んでいては仕方ないので、蟹工船になるけど患者数も増やしておこう!」

 

私は、この想定はおそらく現実になると考えています。なぜなら、大手チェーンの儲けすぎ批判に対応するより、大多数を占めるパパママ薬局に対応した方が調剤費の削減につながることは明らかだからです。

医療と介護の現実を確認しておきましょう!

調剤薬局では薬剤師不足が続いていますが、医療と介護の業界も慢性的な人手不足にあえいでいます。ここでは、医師と介護人材について確認しておきましょう。

医師の残業規制の上限は、なんと1900~2000時間を容認!

2019年1月11日、厚生労働省は2024年度から適用する医師の残業時間の上限規制について次のような案を示しました。

「地域医療に欠かせない病院に限り、35年度まで年間1900~2000時間まで容認する

これは、一ヶ月に換算するとおおよそ160時間。過労死ラインと呼ばれる80時間のなります

当初、厚労省は医師不足の地域の病院などでは、月100時間超を容認する方向で検討していました。しかし、地域医療の体制を維持するためには、それでは対応できないという危機感からこういった判断に至りました。

これは勤務医のケースですが、医療介護の最前線で働く医師が過労死ラインを大幅に超える労働環境で活躍されています。今後、そういった医師に手厚い報酬を考えるのは、果たして私だけでしょうか?

介護人材の人手不足は35年度に79万人に達する!

介護保険制度を通して使う費用は、2018年度で10兆7千憶円にものぼります。が、政府の推計では、40年度には25兆8千億円と現在の2倍以上に増えるようです。その結果、65歳以上の月額保険料も増え、18年度の約5900円から40年度には9000円ほどになります。

しかし、そういった現実を前にしても、国は介護の担い手不足を深刻に受け止めています。例えば、経済産業省によると35年度に日本の介護人材は79万人も不足し、人手が足りないことを主因に15~17年度に全国で整備された特別養護老人ホームは計画の7割にとどまったようです

政府はこの介護人材の不足に対応し、2018年7月、2020年夏までにベトナムから1万人の人材受け入れを発表しました。また、インドネシアやカンボジア、ラオスなどからも受け入れ拡大を進めています。また、受け入れ人材に対し日本人と同様の給与水準も保証しています

勤続10年以上の介護士の月給を8万円引き上げ!

介護職員の平均月給は、全産業平均に比べて10万円近く低いのが現状です。そのため、介護職についた若者の離職も大きな問題となっています。そのため、政府は2009年度以降、数回にわたって介護職員の賃金引き上げのために財源を手当てしてきました。しかし、介護職ではそれでも慢性的な人手不足で、有効求人倍率は約4倍と、全産業の1.5倍を大きく上回っています。

こういったことから、政府は2019年10月の消費増税による財源を使い、勤続10年以上の介護士の月給を8万円引き上げると発表しました。また、現場の負担を減らすため、介護ロボットの活用やICT(情報通信技術)による作業の効率化、簡素化なども進めています。

薬局および薬剤師を脅かすであろう流れとは?

再三指摘しているように、近隣にドラッグストアがある調剤薬局では、すでに毎年少なくとも3~5%患者数が減っています。この流れは2019年10月の消費税増税時に一気に加速することになります。

これは、私が次の記事「消費税増税時、ポイント還元対象外となったドラッグストアはどう動くのか?想定してみました。

」で指摘しましたが、ポイント還元の対象外となったドラッグストアがもし、独自にポイント還元策をうってでたら調剤薬局はもう取り返しがつかないところまで追い込まれてしまうでしょう。もちろん、これは大手チェーンも同じです。

しかし、それ以上に調剤業界を脅かすであろう流れも確実に進展していく可能性が大です。

電子処方箋の導入やデリバリーが自由化されれば…

厚生労働省は電子処方箋運用ガイド来の策定で、次のように謳っています。

処方せんは、医師・歯科医師から薬剤師への処方内容の伝達だけでなく、患者自らが処方内容を知ることができる、患者にとって最も身近な医療情報の一つである。処方せんの電子化は、医療機関と薬局の連携や服薬管理の効率化等に資するだけでなく、電子版お薬手帳との連携により、患者自身の服薬情報の履歴の電子的な管理にも資する

 

このため、今般、「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」(平成17 年厚生労働省令第44 号)の一部を改正し、処方せんの電磁的記録による作成、交付及び保存を可能とするとともに、電子処方せんの円滑な運用や地域医療連携の取組を進め、できるだけ早く国民がそのメリットを享受できるよう、「電子処方せんの運用ガイドライン」を、別紙1のとおり策定した。また、同ガイドラインにある「電子処方せん引換証」の様式を別紙2のとおり定めた。

では、電子処方箋が本格的に導入されたらどうなるのでしょうか?

門前の調剤薬局に立地の優位性がなくなる!

2010年頃まで、病院や診療所の門前に位置することで調剤薬局の経営は保証されていました。患者にとって、圧倒的にアクセスが良いわけですからこれも当然でしょう。しかし、現在の都市部ではドラッグストアやコンビニ併設店という新しいプレーヤーが参入しています。

ドラッグストアやコンビニといったプレーヤーが優位なのは、その商圏における立地です。駅前やバス停の側など、人の流れが多いところに店舗を確保し日用雑貨や食料品などで集客を図っています。

調剤薬局にとって問題なのは、この新たなプレーヤーは既存の処方箋市場を食い荒らしていることです。なかには病院の門前に位置するドラッグストアなどもありますが、基本的に今まで門前に位置する調剤薬局で調剤を受けていた患者を新たなプレーヤーたちが取り込んでしまいました。その結果、調剤薬局の患者数は毎年確実に減少しています。

電子処方箋が完全に解禁された上で、医薬品のデリバリー自由化が進めば?

もし、電子処方箋が完全に解禁されたら、門前という立地の優位性は失われることになります。電子処方箋が完全に解禁されれば、なお更ドラッグストアに患者は流れることになります。

また、医薬品のデリバリーの自由化が進めば、大手チェーンも含めてほとんどの調剤薬局の経営は破綻することでしょう。なぜなら、このとき新たなプレーヤーが調剤市場に参加することになるからです。

 

新たなるプレーヤーの筆頭はアマゾンでしょう。もちろん、楽天など他のネット通販も参入してくる可能性は十分にあります。また、デリバリーが自由化されるわけですから、ヤマト運輸や佐川運輸、郵便局なども運送業者が調剤事業に参入してくる可能性もあり得ます。

2018年6月、アマゾンは処方せん薬を飲むタイミングに合わせて個別にパックし、ディスペンサーに詰めて配送するオンライン薬局を買収しています。もし、電子処方箋と医薬品のデリバリーが自由化されたら、調剤市場で門前薬局の経営が成り立つだけの患者数を維持するのは至難の業となることは明らかです。

まとめ

  • 医師は医師不足の上に、過労死ラインを大幅に上回る残業を強いられている
  • 介護士不足は深刻で、国が10年以上のベテランという設定はしたものの賃金を8万円上げる決定をした
  • 東南アジアの国々から介護士の受け入れを進め、賃金を日本人介護士と同等にすると決めた

こういった事実がある上で、国はかかりつけ薬局で「薬の取り揃えや調合は機械に任せ」とはっきり明記しています。また、ご紹介したように、既存の調剤業務をサポートする機器は確実に進化しています。したがって、今後の調剤報酬は次のように改定されることになります。

  • 日数加算や一包化加算の大幅な減算算定
  • 薬剤師1人当たり処方箋40枚の縛りを80~100枚に

おそらく、1人が倍の処方箋を受けてやっと今と同じ利益が確保できるといったレベルまで、確実に調剤報酬は削られることになります。重要なポイントをもう一度確認しておきましょう。

  • 2016年、かかりつけ薬局で「薬の取り揃えや調合は機械に任せ」
  • 2018年、大手チェーンの調剤報酬だけ狙い撃ち

2018年、いわゆるパパママ薬局レベルの調剤薬局は無傷でした。これは、「あと2年、設備投資をする猶予をあげるね!」という国からのお知らせだと私は考えますが、あなたは違いますか?

続いて、薬剤師1人当たり80~100枚の処方箋を取り扱えるようになります。これだけの患者数をこなして、やっと同じレベルの収益が見込めるレベルまで調剤報酬は減額されることでしょう。したがって、1ヶ月1,500枚レベルの処方箋枚数では大幅な減益で、1,000枚以下では目も当てることができない状況にまで追い込まれることになるでしょう。

ですが、今現在、医師や看護師、介護士と同じように薬剤師も不足しています。しかし、他業種と薬剤師のもっとも違う点は、遊んでいる薬剤師が少なくないという事実です。

1ヶ月500枚程度の処方箋を受け付けるパパママ薬局でも、経費を切り詰めれば薬剤師の給与は大企業のサラリーマン並みにもらえます。500枚といったら、25日店舗を営業すると1日20枚程度です。これでは、薬剤師バッシングが続くのも自然なことだと私は考えます。

以上のようなことから、私は調剤薬局が生き残れるかどうかは1ヶ月2,000枚の処方箋を獲得できるかどうかにかかっている。そう、想定をしています。しかし、この想定は外れる可能性も十分にあると考えています。なぜなら…

その前に、2019年10月からの増税時のポイント還元策により、キャッシュレス化が一気に普及。その結果…

キャッシュレス化の普及による想定

  • 患者のドラッグストアへの流出が倍以上に加速
  • 調剤薬局の経営状況が一気に悪化
  • 勤務薬剤師の転職が活発に
  • 支店を持つ調剤薬局の経営が成り立たなくなる

人はムードに流されます。キャッシュレス化も同じで、2019年夏の参議院選挙が終われば、ワイドショーや雑誌は増税時のポイント還元関連のニュースでもちきりでしょう。したがって、ポイントに敏感となる患者が大きく増えることになります。

また、その結果、患者数の減少は今の3倍以上のペースとなるでしょう。つまり、前年比で3~5%患者数は減少しているでしょうから、おそらく10~15%の患者はすぐにドラッグストアに足を運ぶようになります。また、その勢いはどんどん増していき、増税後のポイント還元策が実施されて半年もたてば…

2019年末、「最近、なんとなく患者数が少ないような…」そんな程度だった勤務薬剤師も2020年の3月にもなれば、はっきりと勤務する薬局の将来はないことを認識していることでしょう。そして、誰かひとりの薬剤師が辞めれば、その流れもまた一気に加速します。

したがって、支店を持つ調剤薬局は、支店の運営自体が破綻することになります。これが、いったいどんな意味を持つのかわからない経営者はいないと思います。そしてこのとき、国は気持ちよくかつ大胆な2022年度改正を行えるようになるわけです。

一方で、この事態は次のようにとらえることもできます。

こういった流れを指をくわえたまま見ている薬局経営者がいる一方で、力のある経営者にとってこの流れはチャンスでもあります。一定割合の患者がドラッグストアに流れようと、そのすべてを受け入れるキャパは今のところ無いと私はみています。

ならば、その患者を自店に取り込んでしまえば、先に想定した1店舗当たり2,000枚は可能だと私は想定し、クライアントにハッパをかけています。念のために付け加えると…

  1. 今まで、1年間でおおよそ3~5%の患者数が減少していた
  2. そのペースが10~15%に跳ね上がる
  3. そのサイクルが1年から3か月単位となる

意味がわかりますかね?

例えば、ここ3年にわたり、毎年3~5%患者数が減少していたとしましょう。ここでは、わかりやすく3年前に年間で10,000人の患者数で、毎年4%患者数が減少していたとしましょう。計算式10,000×0.96×0.96×0.96=8847.36ですから、3年間でおおよそ12%患者数が減少したことになります。

これが2019年夏ごろから3か月周期で起きると私は想定しています。例えば、甘い想定ですが10%の患者が減少してくとすると…

10,000×0.9×0.9×0.9×0.9=6561と、1年間でおおよそ35%患者数が減少する。これが、私の甘い想定です。逆に、力がありしっかりとキャッシュレスに対応した調剤薬局では、私は毎月20人単位で患者数が増えると想定しています。近隣に病院や診療所が多ければ、当然それ以上のペースを見込むことも可能でしょう。

いずれにしても、調剤だけで経営を成り立たせるためには、1店舗当たり1ヶ月2,000枚の処方箋は必要だと私は考えています。ぜひ、このチャンスを活かせるように今から取り組んでください。

きっと、うまくいくよ!

重要なのは、患者の集客とは「教育」であるという点です。

そしてもし、そういった患者の教育についてのヒントが欲しい方は、私のクライアントが実際に使ったチラシの見本をプレゼントさせていただきます。別記事「誰にでもカンタンかつ低コストでできる、調剤薬局が新規患者を獲得する方法とは?」から無料でダウンロードできますのでお役立てください

 


【重要】

調剤薬局の収益=患者数×調剤報酬+薬価差益です。この内、調剤報酬と薬価差益は今後も一方的なルール変更が繰り返されますから、コントロールができません。一方で、患者数は経営努力次第で増えることもあれば減ることもあります。2019年、そんな経営者の力量が試される時代がやってきました

この大きな経営環境の変化の波に乗り、大きく新規の患者数を増やそう。そう思われる方は、キャッシュレス戦略セミナー2019にご参加ください。