オンライン服薬指導で処方薬が自宅に配送される時代がすぐそこに来る!としたら…
以下、2018年12月25日の日経新聞に一部抜粋です
処方薬 自宅で入手可能 20年度めど在宅医療後押し
厚生労働省は患者が自宅にいながら処方薬を入手できる仕組みをつくる方針を固めた。
テレビ電話での診療は4月に解禁されたが今は薬を受け取るには薬局に出向き、薬剤師の対面指導を受けなければならない。スマートフォン(スマホ)などオンラインでの服薬指導を全国で認める。将来は診療から薬の受け取りまで一貫して在宅でできるようにし、なるべく入院を減らして膨らむ医療費を削減する一助とする狙いだ。
この記事からわかるように、これまでの病院の横に薬局を建てて処方せんが流れてくるのを待つという調剤薬局のビジネスモデルは完全に終わりつつあるということです。
『病院に頼んで電子処方箋を(門前薬局ではなく)近所の薬局に流してもらえば配達に来てくれる。わざわざ薬局で待たなくていい。』
患者さんにとってこんな便利なサービスはありません。今まで総合病院の横にある大型門前薬局や患者数が多い診療所の門前薬局は待ち時間がかなり長いのがお決まりでした。
しかし、この便利な電子処方箋の存在を知れば、わざわざ待ち時間の長い目の前の薬局より近所の待ち時間が少ない薬局に行くのは当然だし、足が悪かったり体調が悪ければオンラインの服薬指導で済ませたいのは容易に想像できます。
さらに記事では、
電子処方箋の今のルールは、電子処方箋をだす病院や診療所に「電子処方箋引換証」という紙を同時に発行するように求めている。患者が電子化に対応していない薬局を訪れた場合の備えだが、病院や薬局は業務の効率化が見込めない。
かかりつけの薬局が決まっているなど一定の条件を満たす患者については紙の引換証を出さなくてもよい仕組みにする方向で検討する。
上記の文章よりかかりつけ薬局として機能し、患者さんに同意を頂く努力をしてない薬局は、ひと手間必要になりますので、この電子処方箋の流れに乗れないことが分かります。例えば、知り合いの薬剤師の話ですが
1日100枚もくる薬局なのに、かかりつけの患者さんは数人程度しか同意いただいていない など
これでは、別の薬局をかかりつけ薬局として指名し、電子処方箋を送るという流れができて患者さんが逃げてしまうことになります。
さらに追い打ちをかけるような記事があります。これは、8月の日経デジタルの記事ですが、
薬剤師がインターネットを使って処方薬の飲み方を遠隔指導する「オンライン服薬指導」に、調剤薬局大手が相次ぎ乗り出す。最大手アインホールディングス(HD)などに続き、国内2位の日本調剤も参入を表明。オンライン服薬指導は6月に一部地域で解禁されたばかりで利用できる患者の要件も厳格だが、将来の需要拡大や規制緩和をにらんで体制を整える。
日本調剤が16日、福岡市内の薬局4店舗でオンライン服薬指導の事業認可を受けたと発表した。服薬指導はこれまで、薬剤師と患者が直接対面しての実施が法律で義務づけられてきた。しかし高齢者など来店が困難な患者の負担軽減を期待し、6月から国家戦略特区に指定された愛知県と福岡市、兵庫県養父市の一部地域でのみ解禁された。
各地域で認可を受けた薬局がオンライン服薬指導を始められる。すでにアインHDが7月に愛知県内で導入し、総合メディカルも福岡市内の4店で対応した。保険適用も承認され、最大3割の自己負担で利用できるようになった。
すでに、大手はオンライン服薬指導、電子処方箋のことをにらんで動き始めているようです。
大手がノウハウをため始めたら中小の薬局は太刀打ちができません。
さらに、薬の一元管理という観点から電子お薬手帳も扱っているかどうかというのが薬局のステータスとなりえることは間違いありません。
当然ですが、電子お薬手帳はスマホで利用します。オンライン服薬指導もスマホでできるように国が進めています。
念のため、オンライン診療システムでどんなことが起こり得るのか?クリニクスで確認しておきましょう。
オンライン診療システム「CLINICS(クリニクス)」
説明はいらないと思いますが、このシステムを使えば医療機関に足を運ばなくても、オンラインで診察が受けられます。患者はスマートフォンやパソコン、タブレット端末を通じてかかりつけ医の顔を見ながら診察を受けます。
予約はネットでカンタン!
カレンダーから空いている診察時間の予約ができます。保険証はカメラで撮影して提出でき、問診票もアプリで回答できます。
オンライン診療だから待ち時間はない!
予約時間になったらビデオチャットで医師の診察を受けられます。通院のための移動時間や待合室での待ち時間にイライラすることはありません。
会計はクレジットカード対応
会計の順番を待つ必要はありません。また、現金の用意も必要ありません。診察後、クレジットカードで会計ができます。
薬・処方せんの発送ができます!
オンライン診療でも薬の処方が可能です。薬や処方せんは自宅など登録した住所に届きます。
このように、今までにない新しい通院のスタイルがオンライン診療アプリで可能になります。そしてこのクリニクスは、すでに約1,000の医療機関が導入しています。
身体的に通院が負担になる人や多忙で通院時間が取れない人、専門の医療機関が遠方で困難な人などを持続的な治療ができるように支援してくれます。つまり、患者の通院負担の軽減だけでなく、医師不足の地域でも限られた医師の力を有効利用できることになります。
スマホが、ありとあらゆるものにつながります!
スマホは、今後さまざまなものにつながります。別記事でイーサー(高機能自動分包機)についてご紹介しましたが、このイーサーはレセコンと連動して薬の一方化作業をしてくれます。このとき、薬剤師はまったく手を出す必要はありません。イーサーが一方化してくれた薬の監査のみ、薬剤師がすれば仕事は終わります。
おそらく、今後クリニクスから送信された処方箋が自動的にレセコンが読み取り、それに連動してイーサーが一方化を行うといったような流れが自動的に行われるシステムが利用されるようになるでしょう。繰り返しますが、この流れに薬剤師の関与はありません。薬剤師が行うのは、そのシステムが流れた後、一方化された薬の監査のみとなります。
さらに言えば、消費税増税後のポイント還元策でキャッシュレス決済を利用し始め、薬局の支払いもスマホ一台で済ませる方が増えるでしょう。
(キャッシュレス決済の関連記事 → 2019年10月の増税前に必ず準備しておくべきキャッシュレス決済とは?)
この記事の最後はこう書かれていました。
厚生省は、高齢者だけではなく忙しい世代の方々への効率的な医療を提供する計画まで織り込んでいます。
これらの世代の方々は、スマホが体の一部となっています。
オンライン服薬指導、電子お薬手帳、スマホでキャッシュレス決済、かかりつけ薬局・・・・などなど。
あなたの薬局は準備できていますか?準備ができていないのならおそらく数年単位で時間がかかります。手遅れにならないうちに早めに行動しましょう。
【重要】
調剤薬局の収益=患者数×調剤報酬+薬価差益です。この内、調剤報酬と薬価差益は今後も一方的なルール変更が繰り返されますから、コントロールができません。一方で、患者数は経営努力次第で増えることもあれば減ることもあります。2019年、そんな経営者の力量が試される時代がやってきました。
この大きな経営環境の変化の波に乗り、大きく新規の患者数を増やそう。そう思われる方は、「キャッシュレス戦略セミナー2019」にご参加ください。
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