単身の高齢者が1割を超えたことが調剤薬局経営に与える影響とは?

2019年1月5日

2018年11月26日の日経新聞の以下の見出しで以下の記事が載っていました。

 

「単身高齢者1割を突破。

一人暮らしの高齢者が大都市で急増している。日本経済新聞が国勢調査を分析したところ三大都市圏(1都2府5県)は2000年以降の15年間で2.1倍の289万人に達し、15年に初めて世帯全体の1割を突破した。」

 

一見、当たり前のことに見えてしまいがちですが、単身高齢者が増えるとどのような影響が起こるのでしょうか?

記事は続けてこう書かれています。

 

「単身世帯が1割越えは危険な兆候。単身高齢者は低年金が多くて生活保護の対象になりやすく、影響は社会保険にとどまらない。」

 

単身高齢者の増加と老人福祉費、生活保護費などの扶助費は強い相関があり自治体の財政を圧迫しているようです。

薬局の業務でも納得できます。

最近生活保護を受けている方に対して、強制的にジェネリック医薬品を使うように国が手を打ってきました。今までは、人権侵害だ!といって強制力はなかったようですが、国もそうは言っていられなくなった証拠でしょう。

 

さらに記事では、

「日本の社会保障が人口・世帯構造の変化に対応できず、制度疲労を起こしています。介護や医療の需要不均衡や無駄を放置すると財政は崩れかねません。」

 

つまり、単身高齢者が増える生活保護になる方が増える。そうなると、余分に社会保障費が必要となり制度自体が成り立たなくなってしまうということです。

 

国もこれに歯止めをかけようと必死です。では、国はどのような対策をとってくるでしょうか?

当たり前ですが、国民一人一人から急激な増税で財源を増やすことはできません。

となると、社会保障費のバランス(割合)を変えてくることが想像できます。

介護分野の保険料は減らせない。医師、歯科医師、看護師の報酬は減らせない。

となると、一番目をつけられている業界は?

もうお分かりいただけますね。薬局業界、しかも調剤薬局です。

例えば、

・調剤料の日数加算が半分になる。

・1包化加算がなくなる。

・後発体制加算が90%以上になる。

・介護施設の処方せんは集中率にカウントしない。

・地域支援体制加算はさらに厳しい要件になり、中小の薬局にも影響がでる。

・大型門前薬局の大幅減収。

・薬価差益の減少と消費税増税。

 

などなど、技術料は今後削られて健康サポート薬局になりうる薬局しか点数が算定できない状況になるでしょう。

2025年問題が騒がれていますが、薬局業界はあと数年もすれば全く違う景色になるでしょう。今から手を付けないと手遅れになります。

準備はできていますか?

 


【重要】

調剤薬局の収益=患者数×調剤報酬+薬価差益です。この内、調剤報酬と薬価差益は今後も一方的なルール変更が繰り返されますから、コントロールができません。一方で、患者数は経営努力次第で増えることもあれば減ることもあります。2019年、そんな経営者の力量が試される時代がやってきました

この大きな経営環境の変化の波に乗り、大きく新規の患者数を増やそう。そう思われる方は、キャッシュレス戦略セミナー2019にご参加ください。